二年前までよく通い、そして獲物に恵まれた山があった。残念なことに昨年猟期前にルートが崩壊し丸一年立ち入りがかなわなかった。
何とか再訪出来ないかと2万5千図と首っ引きとなって検討し、そして微かな可能性を見つけた。
タイヤチェーン、剣先スコップ、鍬、チェーンソーのフル装備で出かけた。深い側溝と立木、デカイ倒木に泥濘・・・。かなり大変な難工事とはなったけどデッカイ獲物を夢見ながらその作業は全く苦にならなかった。(あっ、もちろん土地所有者の了解は得た上ですヨ~。誤解なく!)
苦労の末、久方ぶりのエントリーがかなった。行き止まりまで車を進め、そこからはテンコツへ忍んでみた。
アドレナリンもかなり盛り上がって、頭の中はすでに妄想でいっぱい。「南斜面に群れる鹿の大群。自動銃が良かったか!?いやいや散弾で九粒バラまいた方が5~6頭いけるかも?」な~んて勝手にひとり盛り上がっていた。
そして・・・・・アレ!?跡が無い、、、。まったく?
完全にカラ山だった。一遍に疲労が押し寄せ膝が崩れた。きっちり30秒落ち込んで山を降りた。
ゲン直しを早急にせねばなるまい。時節は師走。そして総選挙ときた。少々のことは赦される。朝帰りとかもいいかなあ・・。
ボンズ。情けない・・・。
誰かに謝らなければならないようなそんな気分になっている。
日の出から日没まで全くの出会いなし、、、、。
巷、北海道にはエゾシカ65万頭なんか言ってるけど、ウソだと思う。エゾシカは10月で絶滅したに違いない!絶対そうだ!間違いない。
夜、ヤケ酒飲んでたら猟友から電話が入った。
「今日、車すれ違ったぞ~、獲れたか~?俺は一頭だった!」とか、「車見たぞ~、手を振ったけどわかったか~?猟果はどう?俺はクマ一頭だった!」
この日に限ってこんな電話が多かった。なんぼ呑んでも何故か酔わない。翌日は二日酔いだった。
まずは北海道神宮に行ってこよう!しばらくご無沙汰だった。お賽銭もちょっと頑張っちゃおう。シーズンは始まったばかりだ。雪も来た!これからダ。
先に「ヒグマフォーラム2012」を拝聴させていただいた。多くの関係の方とご挨拶させていただき大変いい機会をいただいた。
すると、猟場で熊穴に行き当たった。
人間勉強するといいことがあるのかもしれない。(ヒグマの会に入ればもっといいことがあるかもしれない・・・。)
物件は、まさに今掘ってる最中!くらいの新しい土が掻きだされた明らかに新築物件と思われる熊穴だ。(穴にちょっと近づきすぎたかもしれない。もし放棄となれば可哀そうなことをした。)
周辺にはメスの成獣と思われる跡と小熊一頭の痕跡。きれいに食われた山ブドウ、コクワの蔓。
12月下旬の入居して落ち着いたころを見計らって、新築祝いを手に再訪してみようと思う。
猟友会の未来に一筋の光明が差し込んだ気がした。
11月10日にヒグマに関するフォーラムが開催された。基調講演の演者として「羆撃ち」著者久保俊治氏が「羆撃ちハンター」として招請され立たれた。50分間の時間割だったが15分くらいで終わりそうになり主催者が相当慌ててた。(笑)なんとか50分持たせた・・。
ただ、このようなフォーラムでハンターが基調講演を務めた例を他に知らない。猟友会にある者にとってとてもウレシイフォーラムだった。
講演の内容は実はあまり覚えていない。なぜなら、講演終了後の連続3時間に及んだプログラムB(非公式)が強烈だったからだ。
講師は久保氏、聴衆は猟友会会員3名。場所は畳二畳ほどの喫煙室、講師も聴衆も立ったままで、その距離は80cm位かと思う。講演料はたばこの「わかば。(\250)」ひと箱だった。(そして自分が喫煙者であったことに、これほど感謝することは今後そうはないと思う。)
濃密な時間だった。ハンターとか講師とかではなく。人としての生き方に、気合と覚悟に裏打ちされた迫力があった。まこと緊張感ある喫煙室だった。
そんな場を作ってくれたのが白石厚別部会若手会員であり、札幌支部ヒグマ防除隊の大坂氏だった。演者の久保氏やフォーラム主催者の大学教授、研究者、ヒグマの会などに幅広いネットワークを持ち交流を続けている。
猟友会の若手に「人財」を見た気がした。猟友会の未来は明るい!
真空パック機を新たに買ってしまった。二台目だ。新品を行きつけのバーに持ち込んだ。もちろん押しつけだ!
しかしこれで通年うまい鹿肉料理にありつける。必要な投資であり、多少強引でも仕方が無いと思っている。「うん。仕方が無い!」
自分なりの料理も時に愉しい。しかし会社帰りに立ち寄るバーで「好きな酒とちょっと凝った鹿肉料理で一杯。」は絶対に至福の時だ!そのためには店の都合などはいちいち聞いていられない!「うん。うん。やむを得ない・・!許される。」
そんなことで、酔いどれハンターはやってしまいました・・・。 ふふふっ! 土鍋は揃えさせた。圧力鍋は買わせた。真空パック機は持ち込んだ。次は、冷凍庫ダー!
被害の請求書は「北海道胆振総合振興局森林室」宛てにお願いいたします!もしくは「北海道知事」宛ての方がよろしいかも!
会員から以下の情報が寄せられました。
・11月4日現在、胆振総合振興局内の道有林はどこに行っても「通行止め」「入林禁止」でチェーンが張られているとのことです。道路が悪いとの理由が書かれていたので、念のため踏査したとのことです。その結果林道自体には全く問題なかった事と、奥では立木販売がおこなわれていて多くの車が入った跡があったとのことです。
道は何か見られたくないことをやっているのでしょうか。
★広く道民の皆さんに大きな声でお知らせしたい。
エゾシカ被害を減らすために道は、あたかも何か積極的なことをしているように見せかけていますが、その現場である道有林は立ち入り規制です。
そして、思うように鹿被害が減らないときは「狩猟者の減少と高齢化。」みたいなことを言います。あたかもその責任が狩猟者側にあるような言い回しです。そして猟期外に有害鳥獣対策で予算(税金)をつけて駆除です。エゾシカ農林業被害者を馬鹿にしています。
狩猟者の皆さん。
国有林、道有林で同様なことがあればお知らせください。情報まとめて勝負に出ます!
(モモ肉とロースのアロゼ) (レバニラ炒め) (モモ肉とピーマン中華炒め)
今期初猟の猟果を美味しく頂きました!
初猟の獲物は現場で十分冷やすことが出来ず、心残りでしたが、それも料理人の腕次第だなと思いました。素材は蒸れた感じが微かに残っていましたが、それを野性味として上手に料理する腕前は実に大したモンだなと舌を巻きました。(バーのレベルではなくレストランのレベルと思う。)
・アロゼは初めての体験でしたが鹿肉との相性はバッチリです。無塩バターは高いけど価値ありですね。
・レバニラは女性から高い評価でした。
・モモ肉の中華仕立ては、酒よりも丼飯で一気にかき込みたくなる仕上りでした。
猟野の気温も下がりました。沢水もいい感じです!これからの素材は抜かりなく完璧でいきたいと思っています。「放血と冷やし。」きっちりやって更にうまいジビエをうまい酒で試してみたいと思っています。
酒が好きなそこのあなた!おねーちゃん相手の酒も悪くないけど、ジビエで一杯は堪えられないよ!しかもヘルシ~。(鹿も減るし~) おやじギャグ・・。だったかな。
まっ、とにかく狩猟始めてみませんか!
今月の第二週、第三週は鴨共同猟に仕事が重なり山入りできませんでした。そんなこともあって昨日は何故か気持ちがせいて土曜の夜に現地入りしました。
朝から丹念に山周りをしました。御蔭で午前中に牡一頭、夕刻にもう一頭を頂戴することが出来ました。二頭とも100キロ超級で立派な角でした。山の神様ありがとうございます!
・・・と、ここまでなら充実の一日の話で終わりなのですが、実は試練が待ち受けていました。
朝、夕の二頭とも急峻な沢筋での射獲でした。(ハンターなら結末がすでにおわかりでしょう)ご想像の通り!獲物は深い沢(谷底)のどん底まで何の容赦もなくまくれ落ちて行きました。重いせいかご丁寧にも加速度つけてブッ飛んで行きました。その時の沈鬱な気持ちは、多分ハンターにしかわかりません。
苦行の始まりでした・・・。クマザサで埋め尽くされた沢筋を這うように下ったり登り返したり、しかも獲物はデカく重い。信心が足りないのか?と自問しながらの搬出でした。厳しい朝の始まりでした。午前中いっぱいかかりました。
そしてダメ押しは二頭目。日没直前の射獲でした。これも何の躊躇もなく谷底へ・・・。そして降り出す雨、強風、日没・・・。星ひとつない真っ暗な山の中で小さなヘッドランプの明かりを頼りに搬出、解体・・・しかもLLサイズ。
大きな獲物を授かるとは、本来こういうことかと風雨にさらされながら夜空を仰ぎました。
日が変わる前に帰宅出来たのは幸運だったのかもしれません。
(写真は、この日試練が待ち受けていることなど全く考えもしなかった時にの~んびり「あ、紅葉ももう終わりなんだあ~。」で撮った写真です。「朝からそんな気の抜けたようこと言ってるから山の神様が喝入れたんダ!」とどこからか聞こえてきそうです。 苦行中の写真はありません。ご理解いただけると思います・・。)
いや~、いい本を見つけました。
いろんな分野の専門家が集まって共著です。
それでいて分かりやすく、簡単、便利の内容です。この種の本でありがちなめんどくさい知ったかぶりや理屈っぽさがまったくなく、簡単明瞭・単純明快・日当たり良好、駅まで5分。そんな感じです。
「こうしたらいいよ~」、「なぜなら~」、「こうなるよ~」てな感じで、かなりとっつきやすい構成です。
写真も多く、解説も親切。惜しむらくは、白黒だ!カラーだったら最高だったのにー。
初心者の方にもベテランにも、支持される一冊と信じます。
(春先、NHK取材シーン) (10月北海道新聞紙面) (11月開催 公開講座)
北海道在住、女性ハンターの発信力がスゴイ!
多くのハンターにとって、大変力強く励みになる社会的活動と思います。
今年春先には西区の女性が「羆防除隊」でNHKにより大きく取り上げられ、先週は北海道新聞により北広島の女性ハンターが写真入り4段で紹介されました。(当該記事全文は会員限定ページにSCAN画像でUP済みです。)
そして、来月11月からは「さっぽろ市民カレッジ」の企画、=ご近所先生企画講座=『山の動物たちとハンターのお話』にて本川哲代(モトカワアキヨ)さんが講師を務められ、6週にわたって公開講座が開催されます。詳しくは以下URLにてご確認ください。
https://chieria.slp.or.jp/seminar/catalog/product_info.php?products_id=1360&osCsid=612d2960bf0d3557171e84173eca9d41
狩猟文化発展のためにますます頑張っていただきたいと願います。