年が明け、新しい一年がスタートした。
気が付けばあっという間に2週間が過ぎていて、暦の上では松の内も明けようとしていた。
歳神様がお帰りなられる前に豊猟を祈願し出猟しなければ、と神棚に手を合わせ初場所に出向いた。ありがたいことに初日が出た。白星スタートで幸先が良い。全勝優勝は望んでいないが勝ち越しは、と願う猟期後半だ。
暖かい一日だった・・。
猟場への道すがら(国道沿い)の南斜面には暖気に誘われ鹿が群れていた。
猟場はガスがかかり雪も緩んでタイヤが効かず難儀した~。見えないし、足元はアズるで鹿の探索どころか四駆でスノーアタックみたいな感じだった。タイヤチェーンで何とかしのぐラッセルだった。
昼過ぎにガスも消えて出会いが有った。ありがたいことである。200m位の開豁地の奥、林間に微かに黒い影。スコープで覗くにミドルサイズのオンタだった。バイタルを狙点として引き金を落とした。一瞬走られたので外したかと思ったが10m程で昏倒だった。良かった~。やっぱ神頼みだな!
着弾点も狙点通りで一人悦に浸った良い初日だった。
回収は大変だった・・・。今年の歳神様は猟果をお恵み下さったが同時に試練の機会も忘れなかった。・・「いや、どう~も。」(芸人カミナリ風)・・で、ありがとうございます・・・。
農水省の話ではない。我が家の話だ。
食肉自給率が供給過多だ・・・(ありがたいことではある)。
・・鹿肉の消費が追い付かない。3人の子供たちが皆独立し夫婦二人となって久しい。また寄る年波もあって食が細くなっている。いつのまにか冷凍庫の容量上限があと少しとなっていた・・・。
早急に消費拡大のための政策を講じなければならなくなった。
そんな時にたまたま目にした土曜日の「ジョブチューン」。(一流料理人!?とかが大手食関連企業の食品や料理に知ったかぶりで難癖をつける、しょーもない番組だ。不愉快なのでまず視ない。)
この日に限って本当にたまたまだった・・・。AJINOMOTO(味の素)の中華食材が紹介されていた。大家気取りの勘違い野郎の批評なんかはどうでもよかった。商品名「Cook Do 四川式麻婆豆腐」に引き込まれた。「コレだー!」で、早速買い求めた。そんで大当たり。
これまで我が家では既製品のレトルトや半製品関連を否定するわけではないが、なんとなく距離を置いてきた。今回踏み込んでみた。いや~いいは! 鹿肉を挽いて麻婆豆腐。最高だった。お手軽で美味い。次は「青椒肉絲」だな、赤身の鹿肉と相性はいいはずだ。回鍋肉もやってみたいが‥脂身のない肉とはどうだろうか・・まずはチャレンジだな。
丸美屋も良さげなラインナップが結構ある。試してみたい。
需要喚起と消費拡大に「合わせ調味料(半製品)」の世界、かなり楽しい。
(ジョブチューンにも思う。今の批評する方とされる方。逆じゃね?いっぺん引っくり返してもいいと思う。)‥もし自分が批評される側だったら絶対に云ってるだろう「ご批評アリガトウゴザイマス。今度開発関係者全員でお宅のお料理を頂に上がりたいと思いマス。」!! だ。
今回は早かった。1週間で上がった。
事前に不具合箇所のパーツを入手していた事が奏功だった。
昨年までの車検でかなり手を入れていたので今回はタイロッドエンドの交換だけで済んだ。
ただこのタイロッドエンドには1年苦労した・・・。
車は4インチリフトアップしているのでステアリングリンケージにストレスがかからないように逆差し加工のタイロッドエンドを入れていた。ナックルアームと共に豪州製のブツだ。
20年前の品で今では輸入元も取り扱いが無く、直接豪州サイトも漁ってもみたが出なかった。
それでノーマルパーツを入手して札幌市内の金属加工業者数社に持ち込んだりしてみた。
残念ながら車両用の鍛造部品のため対応できる業者を見つけられなかった・・。
今回は整備工場の担当エンジニアに恵まれた。「・・加工部品の現物を見るに、逆テーパーの削り出し加工だ。出来ると思う。やってみるは。」で、「出来た。」 いや~ありがたい。
タイロッドとドラッグリンクへがっちり付けられてステアリングのふらつきが劇的に改善した。
やっぱり技術者だな! パーツの意図を理解し、材質・強度を推し量っての作業は確実で且つ安心感がある。1年間の金属加工業者めぐりは何だったのかとちょっとの徒労感もあったが、今は快適なハンドリングでそんな思いも吹っ飛んだ。(写真左:くたくたのタイロッドエンド。中央:新品部品で逆差し。)
猟に欠かせない「車」。万全のコンディションで運用したい。
車検ついでにウインチシャーピンも揃えた(写真右)。計10本だ。10年は持たせたい。
さあ。タイヤチェーンを積んで出かけよっと!
たたきの要は「火入れ」だ。漬け込みダレももちろん重要だがなんといってもローストビーフ風の仕上がり(中心部の赤身加減)が食感、風味、味を決める。
まずはロースは長いので20㎝~25㎝くらいに切る。
1,フライパンでロース肉を短時間で満遍なく焼く。焦げ目をつける。
2,アルミホイルに包み(グラタン皿にホイルでもいい。)200度設定でオーブントースターに入れる。発熱体5本仕様で10分弱。2本の場合は15分程度か。肉の中心温度を65度内外とする温度と時間だ!
3,アルミホイルを外しジッパー袋の漬けダレに沈めて24時間。できれば48時間。
4,漬けダレから上げてカットだ。(切る時はドキドキ。)
5,ロゼ(ミディアムレア)の断面が現れれば完成だ!
6,柚子胡椒、百留屋の山わさび醤油漬けで食す。もちろん日本酒だ。(ヒョエ~♪♪)
(*火入れ時間はロースの大小で変わる。場数を踏まねばならない。)
・・・数年前に30有余年に渡る馴染みのBarが閉店した。解禁時期は毎週産直で鹿肉を持ち込んで料理してもらっていたBarだ。閉店以来、自分でいろんなことをするようになった。案外とその世界の才能があるような錯覚を持ち始めている。新たな気づきだ。勘違いのままGo Ahead。
漬けダレ⇒ロース1本分(カットするので20㎝~25㎝が2本となる)
醤油100㏄:酒50㏄:酢50㏄ 焼きねぎ1本分、生姜スライス小1個分。 簡単!
街場はまだ根雪迄しばらく猶予がありそうだが、山の上はしっかり積雪状態だ。
タイヤはマッドテレーンだが雪質は水分が多く刺さってくれそうなので、おっかなびっくりだが進めるところまで進んでみようと山廻りしてみた。
先週まで鹿跡も濃く良い猟場だったが今回は薄く、代わりに熊跡だ。
フレッシュ。新鮮。今朝!の活きのよさだった。
崖下に下った跡で、双眼鏡で追ってみたが昔の造材林道らしき廃道の奥に続いていた。たぶん日の出位に移動したんだろう・・。
この日、大きさの違うフットプリント3種を見かけた。山容から考えるに結構な生息密度だ。冬眠はまだ先だ。「ヨシ。チャンス!」とみるか、「いやいやちょっと待て、単独でなにがチャンスだ~?」の二つの意見が頭の中で錯綜している。
結論。中を取って「ま、偵察ということで一回入ってみよう。偵察、偵察。あくまでちょっと山廻り。」で思考を合理化してみた。一番危ない中途半端な結論だ。こういうのが熊害を呼び込む。言葉はお気軽ソフトでも、頭の中、心の中は「絶対獲る!」の気合でなければならない。
もちろんお天気も重要だ。無風、無音、曇天が一番いい。
‥下って、登って、下って、で一山半‥天気がみぞれとなった。‥音が取れない。で撤収~。
久々アドレナリン大放出の山廻りだった。4~5時間の事だったがスッゲー疲れた。
当然何にもなしの手ぶらのボンズの一日だったが家に帰ってのひと風呂は鹿猟の時の百倍極楽だった。
(‥間違いなく「筋肉痛」だな・・アミノバイタル飲んどこう、っと。)
一日で2度のウインチ掛けがあった。
一度目は脱輪。ダブルラインで脱出、基本であり定石。問題ない!
二度目は・・やってしまった・・。どっぷり水を含んだ腐葉土登り斜面。マッドテレーンタイヤが全く効かないコンディションにデフロックもダメ。今期新たに購入したリカバリーラダーもネイルが飛ぶ不良品でダメ。完全なスタックとなってしまった。
ウインチを使った。アンカーが遠いのにエクステンションロープとスナッチブロックを面倒がりシングルで引いた・・・
シャーピンが切れた。「・・またやっちまった・・。」長い一日になってしまった。自業自得である。これまでに一体どんだけ同じ間違いをしてきたか・・・一寸の手間を惜しんで、根拠のない「たぶん行ける。」の見積もりの甘さでドツボにハマる・・。(いい歳をして只のアホである。猛省。)
PTOの限界は低い。1.5t程度だ。なのでダブルラインが不可欠だ。電動ウインチは3tから4tをシングルで引ける。ただ12v車の場合はバッテリ容量に注視が必要だ。
*PTOでの牽引時は定速で引くのが絶対条件だ。牽引速度を変えると容易にシャーピンが飛ぶ。アクセルワークではなくスロットルノブを使おう。
PTOも電動もワイヤーメンテは重要だ。注油とキンク補修、マスター巻き。心がけよう。
写真は鉄床とハンマーでキンク補修だ。修正後のワイヤー強度は8割~6割に下がるとのことなので安全マージンを頭に入れておこう。
ランクルで猟に出ている。ご存じの通り林道・廃道・雪原なんかが猟野に含まれる。そんなんで既存のスノ-ヘルパー(65㎝長)はちょっと短めなので、追加装備として今回100㎝の本商品を購入した。Amazonで??製「DOKICAMPスタックリカバリーラダー」だ。
結論。大失敗だった!! たった1回のお初の使用でトレッドがかかった爪(突起のネイル)すべてが飛んだ。ただのフラットなプラ板になってしまった。当然スタックからリカバリーなどできず、ウインチで脱出となった。(苦労した・・シャーピン折っての辛うじての脱出だった。)
単独で山入りするご同輩に警告する。軽量車はどうかわからないがRV車の場合は重大な結果を招く可能性がある。(能書きには耐荷重10tと書いてあったが・・??)
複数のセルフレスキューデバイス(副変、チェーン、デフロック、ウインチ、ハイリフトジャッキ等)がある時はまだしも、本商品でのスタック脱出は期待できない。
「安物買いの銭失い。」どころか冬場の奥山なら「命取り。」となりかねない。
購入するなら、値段は倍から3倍になるが「マックストラックス」などのブランド品にすべきと強く進言する。 パチモンはパチモン。ゴミに金払ってしまった。いい勉強になった。
無駄なあがきかもしれないが、改造にトライした。M8のボルト・ナット。22㎜ワッシャーで爪を新設した(各40個で総額¥2,000強の支出だ)。効きそうだが鉄なのでタイヤトレッドの損傷に気を遣わなければならない。まだ試していないが、ゴミの削減にはなるかもしれない。リカバリーなるか!?
見掛け倒しに気をつけよう。平時に試す手間も必要だ。モノによっては遭難騒ぎや最悪の事まで想定せざるを得ない虞がある。 あ~、桑原桑原。
スネ肉がいい!
料理法は限られるが、ヒレ、ロースを超えるポテンシャルを持っている。
「スネ肉チャーシュー」だ。圧力鍋さえあれば誰でも簡単に絶品料理がすぐ作れる。
スネは1頭から4本とれる。腱や筋の多いところだがそのままでいい。
・圧力鍋にスネ4本。酒と水を同量でかぶるくらいに注ぎ点火。蓋のバルブから蒸気が上がったら20分炊く。
・一旦火を止めて煮汁を捨て、食べやすい大きさにカットする。その後再度圧力鍋にカットしたスネと酒・水・みりん・生姜・砂糖を入れて炊く。時間は同じく蒸気が上がってから20分。
火を止めてそのままほったらかし。圧力が下がった頃が出来上がりだ。
肉はほろほろで、腱も筋もトロトロだ。肉は歯が要らないくらいのほどける食感。腱、筋のねっとり感は豚の角煮に匹敵する。コツは「生姜」。針生姜でもスライスでもいい。たっぷり入れよう。
芋焼酎が合う。4分6のお湯割りを添えて極楽だ!
もちろん飯にも合う。和がらし、柚子胡椒、粗挽き胡椒、七味なんかと相性がいい。
毎年のことだが10月の中旬までの鹿猟は藪も木々の葉も煩くて各位もご苦労のことと思う。
10月下旬で何とか視程も射界も少し広くなったかな、といった感じだ。
そんなんで昔は10月は鴨猟。11月から鹿猟。が合理的な組み立てだった。
ただ「高病原性鳥インフルエンザ」が流行り始めてから、このルーティンが維持できなくなった。・・・いつのころからだったかな・・・鴨猟からかなり遠ざかっている。
ま、当時鹿猟が10月1日解禁となったので気持ち的には鳥猟より大物猟へ向かうモチベーションの方が断然デカいので当然鴨はおろそかになってしまった・・・
カミさんからは時々「年越しそばには鴨がいいなあ~」とか言われるが、聞こえないふりをしてもっぱら鹿となる。
鹿猟これから視程も射界もどんどん良くなる。一雪入れば見通しはもちろん、コントラストも明瞭になる。
今期も昨年並のいいペースでスタートできている。豊猟に期待大だ。
シンクがデカくて良かった。
猟果は「枝肉にして精肉、部位ごとで冷凍庫。」の手順だがその精肉過程で作業場として必要不可欠なのが流し台「シンク」だ。
家を建てる時に全く気にもしていなかったシンクの大きさだったが、今から思えばたまたまだったがデカいシンクで今更ながらに本当に良かったと何者かに感謝したい気持ちだ。
広く、深く、ステンレスで横幅100㎝奥行40㎝だ。作業しやすく、掃除も楽で快適環境。(昭和のオッサンの子供時分はタイルやコンクリとかがあったなあ・・・)
これから家を建てる予定の若い衆に言っておく。「シンクはデカく、そしてできればディスポーザー付き。」なんかにすると最高だ。奥方には「君のために快適なキッチンを考えた。」で夫婦円満も間違いない。あくまで「君のために~」だ。間違っても除骨、筋引き、精肉は禁句だ。
出来てしまえばこっちのモンである。
猟に精肉はつきものである。良好な作業環境を確保しよう。