山入するときや解体には必需品の「手袋(グローブ)」。ハンターそれぞれでこだわりがあるものと思う。今回は「安くて丈夫、快適で実用本位!」をキーワードにご紹介したい。
1,天然ゴム極薄手袋(ラテックス):写真左端
狩猟界においては多分100%の普及率と思う。猟野での解体やその後の抜骨、筋引きなどで活躍している。100枚入一箱で\500~\1,000位。そして素材が天然ゴムなので土に還るエコさが素晴らしい。
2,防寒革手
内側に起毛処理された内張がありとても暖かい。革も柔軟性があり銃の取り回しにおいても何の不具合もない。防水スプレーを一吹きすれば多少の雨や雪でも問題がない。一双\880。
3,ポリウレタン耐寒グローブ「ダイローブ108」
最高傑作と思う!氷点下の吹雪の中でも川の中でも全く冷たさを感じない。冬の解体では最高のパフォーマンスを発揮する。手袋の中はいつも春である。裏地起毛に表面シワ状加工(滑らない)、どんなに寒くても柔軟性を失わず、メンテもお湯を掛けるだけで脂落ちし中性洗剤で表面洗えば完璧。素晴らしい!一双\2,000~位。
上記、ホーマックや作業用品店プロノ、ジーベックなどで取り扱いあり。
これから猟を!とお考えの方には更なる出費を強いるようで誠に申し訳ない。
銃、ガンロッカー、装弾ロッカーと法定用具を揃えるだけでも、その費用に頭の痛い事と拝察する。しかし更に「実猟」となると猟野で絶対に必要となるのが、上記の冬山渉猟装備だ。(・・・安くない・・・。申し訳ない。)
・スノーシューとフローター(西洋カンジキ:写真左)
北海道の雪質を考慮すると和カンでは無理がある。スノーシューがお勧めである。サイドスリップを防止するエッジと登行に効果あるアイゼンが装備されている。また、当該品にはオプションで「フローター」(追加延長テールパネル)が選択できる。これは負荷重量(体重+装備)が増加しても沈み込まないよう考えられたものだ。
スノーシュー本体 MSR EVO 約¥23,000位。 フローター 約¥8,000 (秀岳荘)
・ゾンメルスキーとストック(写真中央)
短めだが幅広でシール(アザラシ毛皮)が貼られている。斜度30度でも35度でも直登できる優れモンだ。圧倒的な機動力だ。
ストックも狩猟用だ。グラスファイバーで丈夫この上ない。ゲレンデスキーのストック流用も可能だが、ポールブレーキに使うとアッサリ折れる。冬山での装備故障は時に命に関わる。しっかりした物を選択すべきだ。
ビンディングは写真右の物が良い。踵が上下稼働のみに規制されるので取り回しし易い。
ゾンメルスキー(シール+革締具)約\50,000。 ストック 約\11,500 (秀岳荘)
★ストックのグリップ下に黒く見えるのはダクトテープ(繊維が入った布ガムテープ)である。70cm程巻いてある。また画像では見えないがリングの上には細い針金も50cmほど巻き付けてある。タイラップも数本付けている。緊急時用の補修用具だ。
フランスのフォールディングナイフ「オピネル」。
多くの方がご存じと思う。丈夫で、安くて、研ぎまで学べる偉大なナイフである。
122年前(明治23年)、フランスの片田舎の野鍛冶オピネルさんが考案したモノだそうで、当時から今までデザインや基本構造は変わっていないとのことだ(ブナ材のハンドルに炭素鋼が基本。近ごろはステンレス版も一部リリースされはじめた)。
刀身長により番号が付いていて35mm~225mmまで11種くらいがリリースされている。価格が素晴らしい!どれも\1,000~\2,000程度で購入できる。(秀岳荘)
猟でも充分活躍してくれる。解体はNO,10で充分だし、ヒレやザル外しにはステンのフィレナイフが便利だ。
*素材が鋼なのですぐ錆びる。メンテナンスは常に欠かせない。研ぎを覚えるには最適の教材だ!
コレから猟を始められたいとお考えのあなた。先ずは一本あってもいいと思うナ。
そして猟をやる上で砥石は絶対欠かせない!揃えるべきと思う。荒砥石(100~600番)、中砥石(800~1000番)、仕上砥石(2000~3000番)、超仕上げ(5000~)。
超は必要ないが、最低でも中砥石と仕上砥石は必需品だ。(ホーマックや宮分刃物店)
所有者:(通称)職人 (年齢不詳 猟歴秘密)
上記3点、(正確には4点)すべて手作り。
リヤカーゴのブラケットとしてのガードバーの作りは真に秀逸。車検対策も万全。ボルト8本で脱着3分でOK!のお手軽仕様。
ルーフキャリアもアルミ材でこの仕上がりだ。細部にまで凝った取り回しで手作りとは思えない。写真には写っていないがユニックを搭載できるブラケットも付いていて最盛期には「ユニック付きランクル」として猟場に出没している。
サイドシルガードはステンレスのワンオフ。そしてマッドフラップの取り付け位置にご注目!後退時の巻き込み防止対策を施した実に考え抜かれた「実用新案特許」並みの逸品である。 脱帽!
制作者コメント:「仕事終わったあとにチョ、チョットやって一週間くらいで出来たかな。すべて廃材利用で金はかかっとらん。」
う~ん。素晴らしい! ここに勲一等旭日大授章です。
魚釣り用品で有名な「フィッシュランド」の製品である。商品名はpower angler’s choice。デカイ!そして安い!
枝肉だったら1頭分が入る。そしてその価格はセールで¥8,000程度。実にお買い得である。同サイズのメーカー品であれば3万円はくだらない。
低価格には秘密がある。中国製であることはこの時代当たり前であるが、構成部品の中でコストがかかるウレタンなどの断熱材を入れていないのが安さの秘密である。単なる二重構造である。しかしながら我々の活動は冬であり、充分冷やした枝肉であれば全く問題ない。空気は熱を伝えない。二重構造上等である。(注:ドレンコック付であるが、その箇所で中空部分への水漏れの可能性が否定できない。出来れば購入時にシール材か接着剤で隙間を埋めると安心だ。)