必要な時がある。
秋口にデッカイ台風や爆弾低気圧が上陸するとその後の山は大荒れだ。林道崩壊に落石、土砂崩れ、風倒木・・・
もちろん林道崩壊や土砂崩れは手に余るが、風倒木くらいは何とかしたい。
手鋸でもいいが、ただでさえ日の短い猟期だ。さっさと片付けたいし日没後の下山時にバリケードみたいな風倒木に出くわすとかなりがっかりくる。
持ち歩くわけじゃない。車に積んどくだけだ。あると便利だ。
=文明の利器2点=
・「36V充電式チェーンソー」。静かでいい。(電池容量は限定的だが日帰り猟には充分。)
・「エンジンチェーンソー」。パワーもあるし混合油さえあればいい。(ただウルサイ!)
予備燃料はぜひ持とう。1ℓでいい。エンジンチェーンソーはタンクが小さく燃費が悪い。
★電動もエンジンもチェーンオイルは欠かせない。セットで持ち歩くべきだ。
=SDGs=のための参考品。若い衆には頑張ってもらいたい。
・手鋸。 体力勝負となるが故障しらずだ。
・マシェト。 藪払い、蔓払い、枝払いにはかなり便利。
・折り畳み鋸・鉈・斧。猟場に合わせて取捨選択だ。鉈は9寸がいいようだ。
重たいモノじゃない。山入りの際は是非持ってた方がいいと思う。
全部100均で売ってる。
いつも出番があるわけではないが、「ここぞ!」というときにこれらがないとかなり困ることになる。
・ひもは引っ越し荷造り用のポリひもだ。解体時や搬出時に足や肉をまとめるに結構有用だ。安いので気兼ねなく切って使える。5mもあれば十分だ。
・タイラップは長めで繰り返し使える電工用のものがいい。これはみんな既に持ってるか・・・。
・ロープはパラコードと言われている細い奴だ。スッゲー丈夫でストランドが7芯とか9芯で太さは3㎜~4㎜。耐荷重もシングルラインで250㎏位ある。30m売りで1,000円だ。100均では4m売りだ。重量がかかる捨て縄やガイで威力を発揮する。
得物の柄や鞘、キーリングに数メートル分を複数巻いておくとイザという時心強い。
針金やダクトテープもポールに巻き付けておくだけだ。
シカも増えて、里山と言われる森の際や畑の際で獲れるようになった。
それほど奥地に突っ込まなくても十分猟果が上がるご時世となった。
それでも昼くらいまで全く出会いのない時もある。北海道からシカが消えたと思わせるようなボンズな時だ。こうなると「何故?」「どうして?」「何が起こった?」で結構な焦りが出て、奥へ遠くへさらに向こうへと気持ちが前のめりになる。そして結果「ハマる!」
そんな時のウインチングだ。
ウインチはPTOでも電動でもいいが、周辺装備が充実していないと折角のウインチの能力が十分に発揮できない。一例だが装備していた方がいいものがある。
・ツリーストラップ50㎜×9m(灌木林でアンカーを取るにいい。灌木を広くまとめられる。)
・スリング50㎜×3m(近場でアンカーが取れる時。)
・スナッチブロック(滑車だ。)絶対必要。PTOでは2分の1や3分の1を心掛けたい。
・U字、C字シャックル、Oリング(牽引でも活躍する。)
・ワイヤークリップ2個(3分の1システムやワイヤーが切れた際。)
・S字シャックル(ワイヤークリップとの連携。)
・延長ロープ(伸縮しないやつ。)
・シャーピン予備(複数要)
以上。もちろん各ツールの破断強度を確認したうえでの選択と使用が求められる。
・三角停止版2枚も必ず用意しよう。(他車の往来が想定されるとき用。)
・作業用革手(厚手)は必携だ!ゴム手や軍手は絶対にダメだ。(革手の中には薄手のインナーも用意したい。冬のワイヤーは冷たい。)
ウインチも、もはやPTOは居ないだろう。ほとんどが電動と思う。電動は良い。パワーがあるしリモコンだし、一人で作業が楽だ。車両の駆動アシストも期待できる。
(あ、衆知かと思うが。ワイヤーへの定期的な注油は必須だ。繊維芯が乾燥すると容易に切れる。忘れがちなので要注!「二硫化モリブデン配合グリース」だ。)
今はもうほとんど持ち歩くことが無くなった。
・鉈だけは持つか・・・。
・斧は海外出張で野営が想定されるときは持つ。
・マシェトはクマの護衛業務の時に便利だった。(ほとんど藪漕ぎだったので重宝した。)
「鉈」は親父のおさがりだ。多分半世紀以上を経た業物だ。 鞘も親父のお手製だ。
この形状と刃厚、重量、サイズ。日本独特で諸外国にはこれに類するものになかなかお目にかかれない。日本が世界に誇れる名品と思う。細工物から枝打ち、薪づくりまで万能だ。鉄がいいので研げば鉛筆まで削れる。
「斧」。ロシア出張で野営が多い時は必携だった。鉈では役不足の時があり、そんな時に出番が多かった。ロシアではダブルハンドで使うデカい斧は手に入るがこのサイズのものに良い物がない。腰にぶら下げるにちょうどのサイズでバランスがいい。(鞘は自作だ。)
「マシェト」は藪藪のフィールドで実に便利だ。長さがあるので遠心力で軽く操作できるし伐採能力も高い。柳なんかは太くても叩き切れるし、入り組んだブドウ蔓やコクワなんかも一刀両断だ。笹藪では振り回すだけで鎌の代わりになる。シースには自作でシャープナーホルダーを付けた。ソーバック(のこぎり)も使えるが刃が上向きになるので気持ち悪い。
重さや長さは持ち運ぶにデメリットと考えられるが、作業効率に着目すると性能の一部と理解できる。猟場と狩猟スタイルからバランスシートを検討されたい。
年代物~。・・・なんてことはないただの鍋だが活躍してもらった。今はなきニュートップの品だ。
アルミ製で多分30年以上前のものだ。蓋はなくして新しくしている。
焚火やレギュラーガソリンで使ったために真っ黒になってしまっている。
3人から4人でなんか作るときに必要な大きさだが、今では全く出番がない。しかし車に積んでいる。
なぜ?自分でも答えがない。今はただの物入れとなってしまった。お守り!?かな・・・
もう一つはシスティマティックだ。
スエーデンの品だ。飯盒+フライパン+アルコールストーブ+燃料ボトル+風防。
全部セットで1,600円くらいだったので(20年前)に衝動買いだ。
重たいので持ち歩くことはないが車に積んでいる。
便利なのは朝、米炊くのに良い。2合の無洗米を飯盒に入れて、アルコールストーブをセットする。燃料容量はタンク3分の2で70㏄。「火をつけてほったらかし。」30分で完璧なご飯が出来上がる。アルコールストーブの70㏄は25分で燃え尽きるが2合の炊飯にちょうどだ。
ほったらかしの炊飯でちゃんと炊けてうっすらおこげもあって抜群の性能だ。
…これも今では出番は限定的。車中泊でも朝は飯盒の蓋にパック飯を入れてスープの素で雑炊だ。3分だ。(パック飯が安いし、街場では見切り品でおにぎり半額とかある。)
収納の木箱はワイン輸送の箱だ。各種調味料に、まな板、ペチャポリ(水筒)、アルミホイルに缶詰、酒なんか入ってる。箱はテーブルにもなる。熱い鍋をそのまま置けるのがイイ。
・・・1年中積みっぱなしの標準装備だ。
旧い古い魔法ビンで恐縮だ。
当該品1978年頃にリリースされたものだったかと記憶している。(2020年現在42年物となった。もはやヴィンテージだ。)
それまでの魔法ビンといえばインナーがガラス製だったが日本酸素㈱が世界で初めてステンレスで真空断熱二重構造を実現した。
「軽くて・割れない。」で世界市場を席巻した品だが、まさか42年たっても現役であることは作った方も、当時の俺も予想だにしてなかったと思う。
容量0.89ℓだ。一人で猟するにちょうどいい。カップヌードルで300㏄。紅茶・コーヒー2杯分(マグ300㏄×2杯分)600㏄でちょうどだ。
そして持参の薬缶の容量が900㏄で沸かし直しや補充でもドンピシャサイズで都合がいい。
写真はカップが欠品だ・・・さすがに42年。経年劣化でボロボロとなり砕けた。
ま、使うこともなかったので「ワンアクション減った。」と思ってる。
保温性能も満足している。朝5時に沸騰させたお湯が午後まで熱々だ。カップヌードルの時は沸かし直しするが、1分かからず沸騰する。
短所は今の同容量現行品と比べるとサイズで若干太くて少し重いか!?
ま、車に積みっぱなしなのでまったく不便は感じない。
いまや日本酸素㈱はTHERMOSを吸収して、サーモス㈱で世界展開している。もちろんこの分野のシェア1位だ。
(山ヤの間ではテルモスとも云われ、外資のような名だが日本企業だ!)
・・・冬に使う保温用の魔法ビンメーカーは「サーモス」か「スタンレー」のどちらかにした方がいい。(他のメーカーも試したうえでのオッサンからの助言だ。)
手作りだ。製作費もただ!
うちの親父の力作だ。(いや力作は言い過ぎだ。1~2時間で作った。)
軽乗用のパンタグラフジャッキに重たい土台をつけて、クランクバーのブラケットに上下動調整用のノブを接着したものだ。
先台受けは、そこら辺の鉄板を切って布を巻き付けボルトで止め、ガムテープでぐるぐる巻きにした。写真で見た通りの出来上がりだ。オヤジに作ってもらったのでやっつけ仕事とは言いにくいが、誰でもすぐに作れる!
使い心地は必要にして十分!全く問題ない。ノブの回し心地も気持ちいい。
以上!タダだ。
随分と前に同じコンセプトでパンタジャッキライフルレストをUPしている(2013年4月UP)。あちらは先輩の力作だ。鉄工の専門家だ。「世界に誇る日本の技術力。」のタイトルがつけられるほどの完成度で逸品だ。参考にされるなら、そちらが適だ。
リュックサックだ。
今の縦型スリムの軽量タイプでザックと言われているものとは形が違う。
横型幅広で帆布素材、アルミフレームで旧いタイプだ。重い・・・。これも付き合いが長い。ノルウエーの品だ。 …確か\3,000くらいだったか。
今風のも持ってはいるが出番はあまりない。駆除の時くらいか。
枝肉や精肉を詰め込んで回収するに頑丈で容量のデカイ物が良かった。
横型幅広は腰回りの弾帯に干渉しない。肉を突っ込む時は水筒や小物類を出して腰の弾帯に付け収納スペースをあける。
渉猟の際はキスリングタイプがいい。
・・・その昔このタイプで旅をするバックパッカーが多かった。見た感じが甲羅を背負ったカニの様で、混み合う列車内では横歩きもあって「カニ族」と言われた。現用の縦型タイプになった時は「エビ族」と言われた。いまはバイクで旅するのが多くなったのでその音から「ミツバチ族」となった。令和ではもはや通じない話かと思う。ご海容あれ。
リュックサックで大事なのは両サイドにスキーを装着できるかどうかだ。
渉猟では現場に合わせてスキー、スノーシュー、ツボ足(チェーンスパイク)が想定される。どれでも対応できるような足回りとそれら装備が収納できる背嚢であるべきだ。
これまで多くの刃物を使ってきた。
今回は猟場のナイフについて紹介したい。
失くさずに使い続けている物だけとなるが写真のとおりだ。
・オピネル No,10 炭素鋼 (フランス) 当時¥1,500くらいだった。
・オピネルフィレ ステンレス(フランス) ¥2,700くらいだったか?
・モーラーナイフ 炭素鋼 (スウエーデン)¥2,500
・キズリャル ステンレス (ダゲスタン)もらいモン。
・ズラトゥース 2丁挿しカンガルーナイフ ステンレス(ロシア)円換算¥12,000くらい
あれ~!?・・・全部外国製だ。Made In Japanが無い・・・。
分かった! 安いんだ!
(1本くらい日本製が欲しいもんだが、高品質が故に高価だ。手が出なかった・・・。)
オピネルはおなじみだ。フィレナイフはかなりいい。除骨作業では最高のパフォーマンスだ。
モーラーは解体には向かない。刃厚があり、胸開等の荒使いにはいいが繊細な作業は苦手だ。ラインナップに「カンスボル」なる刃先が薄くなってるのが有るようなので、今期試そうかと思っている。
キズリャルとズラトゥースの2点はお気に入りだ。自分の猟歴と同じ年数を過ごしてきた。特に大小2丁挿しカンガルーの出番は100%の先発登板だ。
猟場では猟果(頭数・大小)や部位、脂なんかで「控え」、「中継ぎ」、「クローザー」の4本程度は必要と思う。
今や「御守り」状態だ。
山入りしても日帰りが多くなった。泊の時は宿を探すようになったし、しかも温泉付なんか狙ったりするようになった。(冬の宿は安い!)
たま~に、猟場が山奥の時に車中泊がちょっとあるかな。の程度となった。
そんなんで飯盒の出番が激減した。
しかし長年の習慣だろうか、必ずキスリングに入っている。忘れたことが一度もない!
日帰りでも、宿どまりでもだ。合理的な理屈をみいだせないまま完全にしみついたルーティンとなっている。
使っている飯盒は日本製だ。大きさは普通の飯盒の半分くらいで嵩張らず収納性がいい。
飯は二合炊けるし、インスタントラーメンもパスタ類も普通に作れる。蓋はフライパンになるし深さが有るので鍋にもなる。この種の世界選手権が有ったら間違いなく金メダルだ。
(・・・この飯盒に出会うまではちゃっちーロシア製を使っていた。)
飯盒には箸、木匙、塩・胡椒・クレイジーソルト・パック醤油・油脂・熱源が入っている。
若い時分はマットにシュラフにツエルトで山どまりや、冬には雪洞なんかも作ったりした。・・飯盒は必需品でそんな猟が楽しかった。・・・今や思い出になりつつある。